イベント概要
「くしろエコ・フェア」は、釧路地域で環境に関心をもつ団体や個人が集まり、くらしと環境のつながりを見つめ直し、次世代により良い環境を伝えていくことを目的に2007年に始まった地域密着型の環境イベントで、任意団体「くしろエコ・フェア実行委員会」が主催しています。
このフェアの大きな特色は、多くの環境イベントと異なり、自然保護を重視する環境グループと、生活に根ざした環境活動を行うグループが連携し、市民活動サークルと行政が協力して開催しているという点にあります。それぞれの団体が「身の丈に合った日常的な取り組み」を持ち寄り、自然と人にやさしい持続可能な地域社会を目指す姿勢が全体を貫いています。
フェアは、毎年6月の「環境月間」に合わせて市内各所で開催されてきました。参加団体による活動紹介パネルの展示、講演会やパネルディスカッション、シマフクロウの生態講座、子ども向けのエコ工作やクイズラリー、小中学生を対象とした「エコ標語・絵画コンクール」の表彰など、環境教育と市民交流を両立した多彩なプログラムが展開されてきました。また、釧路湿原や釧路川干潟などでのフィールドワークも行われ、地域の自然を直接学ぶ機会にもなっていました。
2019年までに13回開催されましたが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となり、2021年の開催も引き続き見送られました。
しかし2022年には開催時期を秋に変更し、「SDGsの視点から」を副題に釧路市中央図書館を会場としてフェアが再開。2024年には17の市民団体が出展し、ポスター展示、エコクイズラリー、クラフト体験、コンクール表彰式などを通じて、子どもから大人まで幅広い層が楽しみながら環境問題に触れる場となりました。
そして2025年も、11月に釧路市中央図書館での開催が決定しており、秋の恒例行事として定着しつつあります。これまでの「環境」中心の視点に加え、「SDGs」や「持続可能な暮らし」など社会全体の課題ともつながる内容へと進化を続けています。
地域に根ざし、多様な主体が協働してつくりあげるこのフェアは、これからも釧路の環境意識を育む大切な場として注目されています。